歯根吸収

歯根吸収とは、歯根が何らかの原因で溶けてしまう現象のことであり、永久歯に生え変わる時に乳歯が溶ける生理的吸収、外傷に伴う外部吸収(しばしば根の癒着)、歯髄の問題で起こる内部吸収、矯正治療が影響するものがあります。その中でも今回は、矯正治療の影響についてお話します。
歯科矯正では、矯正装置により持続的な力を加え歯を移動させます。原因は完全には解明されていませんが、無理な力をかけたり、繰り返し揺らすような動きを行うことで歯根吸収が起こりやすいと言われています。その他にも、元々歯根吸収が起こりやすい体質、歯根形態、咬合様式(開咬)などもあるとされています。
矯正治療による歯根吸収は特徴的で、本来は尖っている根っこの先が丸くなってなってしまうことが多いです。軽度の場合には生活に支障はありませんが、高度に進行した場合には、歯の動揺や脱落、虫歯や歯周病になった時にリスクが高まります。矯正治療中に、そういった症状が見られた際には、まず3ヶ月程度歯を動かす処置を停止し、その後動かし方を半分程度に下げ、少しずつ治療を再開していきます。歯科矯正をする場合、個人差はありますが歯根の吸収というリスクは避けられないと言われており、起こった時に適切な対処をすることで、大きな問題にならないように気をつけます。

ののやま矯正歯科医院