いろいろな矯正 開咬(かいこう)

奥歯を噛み合わせた時に、前歯が噛み合ず上下の歯が開いた状態を開咬といいます。このタイプの噛み合わせでは前歯で物を噛み切れないため、固い食べ物が苦手な人が多いです。その他の症状としては唇が閉じにくいため口の中が乾きやすいことや、口が乾くのでだ液が行き渡らず虫歯や歯周病の原因になること、そして噛み合わせが安定しないため顎関節症も心配です。
口呼吸、舌を出すクセ、指しゃぶり、顎の関節の問題 などが開咬の成り立ちに関わっている事が多いです。そのため、矯正の装置による治療と並行して呼吸の仕方や舌の位置へのアプローチ・舌の筋力トレーニングが必要かもしれません。
この写真のケースは成人の方でしたので、2年程の期間マルチブラッケット装置をつけ治療しました。開咬の治療ではそもそも咬合力も小さいため、抜歯という方法は治療方針に入る可能性が高いです。骨のズレに起因している場合は、軽度であれば歯を動かすことで対処しますが、程度に応じて外科矯正の併用を検討するべきでしょう。歯科矯正治療においては、より良い噛み合わせを達成するために、顎の関節・骨・筋肉などの調和を考慮する必要があります。

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