3次元的に歯を動かす

前回ご紹介したアンカースクリューの装置に上顎に装着するi-stationという装置があります。通常のアンカースクリューでは一方向にしか歯を動かす事ができません。しかし、i-stationなら上顎の奥歯を3次元的に動かす事が可能になります。
装着方法はアンカースクリューとほとんど変わりません。局所麻酔を行って上顎に専用のアンカースクリューを打ち込み部品を固定します。スクリューの安定が確認されたら、ワイヤーと金属のプレートの装置を装着し調節をいれていきます。
その後、プラークが付着していると細菌感染を起こし脱落してしまうのは、アンカースクリューと同様です。常に清潔にしておくよう心がけおく事と、禁煙をお勧めします。
この装置は本格矯正治療前のスプリント治療中から同時進行で使用する事もあります。早めに歯を少しでも動かしておきたい場合や、移動量が大きい場合です。
気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

ののやま矯正歯科医院

アンカースクリュー

アンカースクリューとは、生体親和性が高いチタン合金の小さなネジを歯茎や上顎に打ち込み、ゴムや針金などをかけて引っ張る時の固定源です。
歯のガタガタが強い、垂直的な問題が大きい、歯の移動距離が大きい、ヘッドギアの使用が困難な方、効果が少ない方などに使用する事があります。
アンカースクリューを装着する時は、局所麻酔をして行います。出血はほとんどありません。
その後の注意点としては、お口の中を清潔に保つ事です。アンカースクリューの周りにプラークが付着すると細菌感染を起こし化膿しアンカースクリューが脱落してしまいます。すると固定源に使用できないため、治療を進める事ができなくなってしまいます。
特に20歳未満の女性に脱落率が高く、喫煙されている方も脱落のリスクが増大します。少なくとも施術の前後しばらくは禁煙してください。
アンカースクリューは目標を達成したら外します。局所麻酔もせずにすぐ外す事ができ、痛みや出血もほとんどなく、傷口も2・3日で塞がります。

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白いワイヤー

「矯正装置をなるべく目立たせたくない」とご希望される患者さんは少なくありません。
当院ではワイヤーの種類に限りはございますが、白いワイヤーをご用意しております。
一つはワイヤーの表面に白いコーティングがされたタイプ。しかし、このワイヤーは歯磨きの時や、調節の時に強くこすってしまうとコーティングが剥がれてしまうという欠点があります。
そしてもう一つは、ワイヤー自体が白っぽい素材でできているタイプ。当院で使用しているマルチブラケットの素材は白っぽく加工された金属を使用しており、このワイヤーも同じ加工がしていあるので、装着した時にマルチブラケットとワイヤーが調和されていて目立ちにくくなっています。こちらはコーティングではないので剥がれる心配はないのですが、完全な白ではありません。あくまでも白っぽい加工をした金属色です。
なるべく白いワイヤーで治療をご希望の方、白いワイヤーを試してみたい方はお気軽にお声がけください。

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歯と歯の間に隙間をあける

矯正治療では奥歯に金属の輪をはめて接着剤で固定するバンドという部品を使う事が多いです。歯の内側、外側に頑丈に部品を付ける事が出来ます。
しかし、歯は隣の歯とぴったりとくっついて並んでいるので、バンドをはめようとしてもはめる事ができません。事前に歯と歯の間を広げる「歯間離開」が必要になります。
バンドをはめる歯の両隣にセパレートというゴムを挟んで2日〜1週間するとそこに隙間が出来ます。その隙間を利用してバンドを装着していきます。子供の場合ほとんど痛みはないのですが、成人の場合はかなり痛みが強いです。つけた直後はきつく、1〜2日後噛んだ時の痛みが強くなりますが、1週間程度で治まってきます。
隙間が十分出来るとセパレートのゴムが自然に外れることが有りますが問題ありません。あまりに早く外れてしまったり、ちぎれた場合は再度装着しますので、連絡してきて下さい。成人で噛み合わせがキツイ人はゴムだとすぐちぎれてしまいますので、ブラスワイヤー(真鍮線)を用いる場合もあります。歯磨きは通常通り行って構いませんがフロスや歯間ブラシを使って外してはいけません。
セパレートを行っても、金属の被せ物等が奥歯に入っているときは形態が適切かどうか判断し、ストリッピング(少しだけ歯の間を削る)で隙間を作る事もあります。

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