矯正治療は何才からでもできますが、歯肉や歯を支える歯槽骨が健康であることが条件です。歯周病がある人の場合は、まずは進行を抑えるために歯周病治療が先行されます。
そもそも歯周病とは歯垢が起こす歯の周辺にある組織の病気です。歯茎が腫れる「歯肉炎」が進行すると徐々に歯茎が下がり、歯を支えている骨を溶かしていく病気「歯周炎」になります。歯槽骨が歯を支えられなくなると歯がグラつき、放っておくとやがて抜けてしまいます。
歯周病は、細菌による感染症と、生活習慣病の両面を併せ持っており、歯科医院での治療と生活習慣の見直しが大切です。歯肉が赤く腫れていたり、歯みがきで出血する時には、ブラッシング指導や歯周病治療を受けて炎症が治まってから矯正治療に入ります。
実は不正咬合が歯周病につながることも。歯みがきのしにくい歯並びは汚れが溜まりやすく細菌が繁殖しやすい環境と言えますし、口が閉じにくい状態だと口腔内が乾きやすくなり、歯周病のきっかけとなります。また一部の歯だけに必要以上の力が加わると歯周組織に影響が出ますので注意が必要です。良くない噛み合わせを整えることは歯周病の予防につながります。

前回もお話したように、小学校低学年からの矯正スタートはオススメです。しかしお口の中にワイヤーをつけたり、取り外しタイプの装置を使ったり、小さなお子さんには歯並び治療に対する期待と不安があるものです。子供の場合は矯正装置が表から見えない装置がメインになったりするため、矯正治療をしている事がぱっと見では分からない事も多いのですが、矯正をしているお友達の話しを聞いてみるのもよいでしょう。
矯正キッズが活躍する映画を見るのもおすすめです。『サンダーバード』や『グーニーズ』。サンダーバードでは「学校の勉強は順調か?歯の矯正はキチンと続けているか?」なんてセリフが日常会話として自然に出てきます。おなじみディズニー映画でも『プリティ,プリンセス2』『ファインディングニモ』『モンスターズインク』『トイストーリー』など。モンスターズインクユニバーシティでは、子ども時代にはマルチブラケットの治療をしているマイク、大学に入学した頃には保定装置を使っているマイク、など矯正治療の進み具合もストーリー上に描かれています。自分も知っている矯正装置が出てくるとちょっと嬉しくなったりしませんか?矯正中のキャラクターが次はどんな映画に出てくるか、なんて所も注目ですね。

乳歯から永久歯に生え替わるとき、最初に出るのは顔の中心にある「中切歯」と呼ばれる歯。食べ物をかみ切るこの歯のチェックポイントは、かみ合わせたとき下の歯が上の歯より内側にあるか、上下の歯の中心がずれていないか、といったことでしょう。続いて、一番奥の乳歯のさらに後に「第一大臼歯」とよばれる大きな歯が生えてきます。この歯は「6歳臼歯」とも呼ばれますが、食物をかみ砕く中心的な役を担います。6歳臼歯が、良い位置にまっすぐ生えてしっかりかみ合っているかどうかは、後から生えかわる歯の生え方にも大きな影響を及ぼすのです。キレイなかみ合わせの鍵を握るこれらの歯が出てくる小学校低学年から、小学校卒業くらいまで、大人の歯へのよい生え変わりを矯正歯科で管理するのが理想的だと思います。これは早期治療や1期治療と呼ばれ、海外の矯正先進国をみてもこのような流れになっています。大人になってからの矯正治療の土台作りとなります。

8月8日は「歯並びの日」ということで、日本臨床矯正歯科医会が全国の10〜50代の男女1,000人に意識調査を実施しました。
調査の結果、歯並びは第一印象を左右すると回答した人は72.6%と、歯並びへの関心の高まりが浮き彫りになりました。そしてここでは面白い結果も出ています。歯並びが美しいと良い結果が得られそうな人生に置ける大切な場面で、62%が「お見合い」、53.7%が「入試試験の面接」、50%が「デートの時」等、第一印象が重視されがちな場面で歯並びは美しい方が良いとの認識を持っている人が多いようです。また、健康面では「噛み合わせが悪いことが原因で発症のリスクが高くなると思うお口周りのトラブル」を問う質問において、その認識は、最も高い「顎関節症」でも56.8%、次いで「虫歯」54.7%、「歯周病」44.7%と、まだまだ不十分な結果となったようです。
噛み合わせ、歯並びを気にしている方はまず、専門的な研鑽を積み重ね、多くの症例を経験している矯正専門の歯科医で相談することを日本臨床矯正歯科医会では勧めています。ののやま矯正歯科医院では、明るく若々しい口元、そして生涯自分の歯で美味しく食事ができるお口の環境作りのお手伝いをさせて頂きます。
参考文献 一般社団法人 日本臨床矯正歯科医会

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