指しゃぶり

いつまでに指しゃぶりは卒業させたら良いのか?長期的な指しゃぶりは噛み合わせにも影響が出ますので、2〜3歳頃から自然にやめられる状況を作ってあげるのが良いでしょう。
乳児期の指しゃぶりはミルクを飲むための練習であったり、口の機能発達のために重要な役割があります。3才くらいまでは発達期の生理的なものととらえて、あまり神経質に考えなくても良いでしょう。習慣化していても社会性がめばえる頃に自然に減ってくる傾向にあります。上下の前歯にすき間があくことがありますが、乳歯の奥歯が生える2才半〜3才くらいまでにやめることができれば自然に治る可能性があります。

3才を過ぎても続いていると上顎前突や開咬、口呼吸、発音、骨の成長へも影響をおよぼしますので、やめるように働きかけていって良い時期です。

なくす時期は年齢がひとつの目安になりますが、精神発達などには個人差があり、全てのお子様に当てはまるわけではありません。精神的不安やストレス、注意を引きたい、などの心理的・環境的にも問題がないか、まずは指しゃぶりをしているタイミング等を観察することから始めましょう。外遊びなどでストレス発散させたり、違う事へ関心を向けさせたり、スキンシップをはかりながら、やめるきっかけを作ってあげると良いでしょう。

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学校検診で不正咬合の指摘

十人十色といわれるように、顔も歯並びも様々です。違いがあるからこそ個性があり魅力があるといえるでしょう。しかしながら、あなたにとってのチャームポイントが「不正咬合」では残念ですね。歯並びの問題を単なる「個性」ととらえて良いわけではありません。

歯並びや噛み合わせの問題は、放っておくと子どもの心や体の成長への影響が心配です。不正咬合のマイナス面は、しっかり物が噛めなくて硬いものが嫌いになる、息が漏れて発音が悪くなる、ガタガタで虫歯や歯肉炎になりやすい等が知られています。悲しいことですが、お友達に口元をからかわれて消極的になってしまうケースも時々あります。

学校検診の「歯並び・噛み合わせ」にチェックが入っている場合は、相談することを勧めていると思います。矯正治療はいきなり治療に入ることはありません。不正咬合の種類は様々ですので、検診で指摘された不正咬合の問題を理解して、適切な情報やアドバイスを得ておくことは大切かもしれません。相談窓口については、かかりつけの歯科医院や専門医に問い合わせてみましょう。

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アクロメガリー(先端巨大症)、下垂体性巨人症と矯正について

アクロメガリー(先端巨大症)、下垂体性巨人症とは、脳下垂体にできた腫瘍が原因で、成長ホルモンが過剰に分泌される病気です。子供の時に発病すると骨が縦方向に伸びて巨人症になりますし、大人で発病すると、噛み合わせが悪くなる、手足の肥大、下顎が出てくる、目の上やおでこが飛び出る、鼻が大きくなる、舌が大きくなる、唇が厚くなる、などが起こります。

矯正の分野では「受け口、反対咬合」が主な症状です。治療開始の際、骨格を見る為にレントゲン写真を撮って詳しく分析するのですが、このとき下垂体部に変化を見つける事もありますし、患者さんの全身の症状から判断して精密検査をお勧めする事もあります。極めて稀な病気ですが、しっかり治療をすれば改善が期待できます。しかし一般に知られている病気ではない為にそれぞれの症状に悩みつつも適切な検査を受けてない方もいるようです。アクロメガリーの場合、その治療をしていなければ矯正治療もなかなか良くならなかったり、噛み合わせを改善してもまた病気によって元に戻る事が起こりえますので、必ず下垂体の治療も併せて行う必要があります。

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すきっ歯

乳歯がすき間なくきっちり並んでいると、大人の歯に生え変わる時にすき間が足りずガタガタに生えてしまう心配があります。ガタガタの歯をらんぐい歯と言いますが、それとは逆に歯と歯の間にすき間がある歯並びをすきっ歯(空隙歯列)と呼びます。幼児期のすきっ歯は大きな問題はないでしょう。しかし大人の歯に生え変わってからもすき間があるなら少し注意が必要です。

原因としては生まれつき歯の数が少なかったり、逆に過剰な歯のために前歯がすく事もありますし、子供であれば一時的に前歯がすく事もあります。歯が極めて小さい、あるいは歯に比べてあごが大きい等もすき間ができる原因です。小学生の時に抜けるはずの乳歯が後続の永久歯が無いため大人になってから抜ける事もあります。放っておくと前後の歯が倒れたり、噛み合わせの歯がのびてきたりして全体の歯並びに悪い影響があります。

お子さんの生え変わりに疑問を感じられたら簡単な検査で先天欠損歯の確認等が出来ますので早めに知って乱れが出る前に対策を考えておきたいものです。シニアの方では、歯周病によって歯が徐々に乱れすきっ歯になる事もよくあります。いずれも矯正治療で計画的にキレイにすることができますし、他の様々なアプローチもありますので一度歯医者で相談すると良いでしょう。

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どうして歯並びが悪くなるの?

出っ歯、受け口、八重歯等歯並びが悪いために正しくかみ合わせができない歯並びのことを「不正咬合」とよびます。歯は本来骨のスペースやバランスが整っているとキレイに生えてくるものなのですが、何が歯並びに良くない影響を与えてしまうのでしょうか?一つとして同じタイプの不正咬合はないといわれるのですが、いくつかの原因が考えられています。

1)遺伝。顔が似るように骨格も似るため,受け口や出っ歯などは似ることがあります。
2)あごの未発達。柔らかい物ばかり食べるとあごがしっかり発達しませんが、近年の日本の食生活自体が変化し噛む回数も激減しているため、個々人だけの問題では無いとも考えられます。
3)乳歯の時の虫歯を長く放置する。
4)生活上のクセ。幼児期の指しゃぶり等。

学校の歯科検診でも不正咬合のチェック項目があり、そのまま放置すると成長過程で悪化したり、他のお口や顎関節のトラブルを併発する可能性があるとして問題視されるようになりました。様々な不正咬合の原因があるからこそ、矯正歯科をよい歯並びの実現のための心強いパートナーと考えてください。

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