先天性の病気(口唇口蓋裂)

日本ではおよそ400〜600人に1人の高い発生頻度であるとされる“口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)”。症状としては、唇や口の中の本来くっついている所が裂けている状態です。裂けている場所によって食事や発音に支障を来すことがありますので、生後から外科的な形成術や言語治療、矯正治療を適切な時期に行う事が望ましいとされています。例えば上顎の骨に裂け目がある場合には、上顎の成長が十分でなくなり受け口(反対咬合)になりやすいため矯正治療を計画的に行います。
一般的に矯正治療は健康保険が適応されません。ですがこのケースでは子供も成人も健康保険の対象となります。更に子供には健康保険の自己負担分を国や地方自治体が補助する制度があり、指定自立支援医療機関がその役割を担います。保険が利くのは主に口唇口蓋裂の患者さんが対象となりますが、現在では頭頸部の異常を認める先天疾患に対しては適応される場合がありますのでご相談下さい。
保険適応の詳しい病名についてはホームページでも紹介してあります。
https://www.nonoyama-clinic.jp/
トップページ→矯正歯科講座→【は】 保険適応 ほけんてきおう

20150220123918-1

顎関節症

いまやムシ歯や歯周病と並び歯科の3代疾患とされる「顎関節症」。あごを動かすとカクカク音がする、口を開けるとあごが痛い、大きく口を開けられない、などの症状が現れます。先進国に急増しており、様々な環境変化が生んだ現代病ともいわれます。

主な原因は噛み合わせの悪さ、くいしばりや歯ぎしり、ストレスや運動不足、頬杖をつく等の姿勢の悪さとされています。治療法としてはマウスピースをつけるスプリント療法、痛み止め等の薬物療法、レーザー等をあてる理学療法があります。

顎関節症の方や、顎関節に何らかの問題が診られ今は症状がなくても予防や注意が必要な方が矯正治療をされる時には、まずスプリント療法によって数ヶ月かけてあごの関節のズレを正し、症状がなくなった後に歯に装置をつけて矯正治療をスタートするような方法もあります。ただこの方法は全ての方にあてはまるものではありません。最適な治療法は、あごの精密検査の結果や生活環境、ご自身の希望などを考慮し決めるのが良いでしょう。

20150216122323

悪いかみ合わせが関係する症状

虫歯、歯周病、不明瞭な発音、飲みこみづらさ、頭痛、肩こり、顎関節症。一見関係なさそうなこれらの言葉はいずれも、かみ合わせの悪さが一因であると言われている症状です。
かみ合わせの悪い人は歯並びもガタガタがあることが多く、歯ブラシの毛先が届きにくいので虫歯や歯周病にかかりやすいといわれてます。前歯が噛めてないタイプのかみ合わせ(受け口や開咬)は、歯が閉じてなかったり舌の使い方が通常と違ったりすることで喋りづらさやサ行やタ行が不明瞭になる滑舌の問題も起こりやすいです。頭痛や肩こりはしばしばみられる症状ですが、複合的な原因で起こっていることが多く、あらゆる精密検査をしても原因が特定されないこともあります。歯並びが悪いと全ての歯で均等に噛めず偏って噛むことが筋肉の不調和を来して全身的なトラブルに結びつくといわれていることから、かみ合わせも原因の一つと言えるでしょう。
かみ合わせを改善したらこれらの症状全て解消、とまではいかないかもしれませんが、少なくとも原因を除いていくことで解決の糸口になるでしょう。

20150209163021

見えない矯正(ハーフリンガル)

「歯並びは治したい、でも装置は目立たないものを」との希望は多くの方から寄せられます。永久歯に生え変わった時にはマルチブラケットと呼ばれるワイヤーを使った装置を主に使います。マルチブラケットは歯の表側に付けるのが基本ですが、特殊なテクニックで歯の裏側(リンガル)につける装置があります。芸能人にはこの方法でこっそり矯正している人もよくいらっしゃいます。
表側につける一般的なマルチブラケットとこのリンガルでは条件が違うわけですから、治療期間、治療費、器具への慣れやすさ、手入れの仕方などは異なってきます。目立たないことが最大のメリットですが、治療期間や仕上がりのクオリティーも大切ですので、治療法を選ぶ際には充分なメリット・デメリットの説明を受けてスタートすることが望ましいでしょう。
上下とも裏側に付けたり、写真のケースのように上の歯は裏側に装置を付けて、目立ちにくい下の歯は表側に装置を付ける、こんな組み合わせ(ハーフリンガル)もあります。

20150127115428-1

歯の先進国 北欧の歯事情

キシリトールガムのCMを通じて北欧の国が「歯の先進国」というイメージを持っている方も多いでしょう。あるデータでは、12歳児の虫歯になった事のある歯を調べたところ、スウェーデンやフィンランドの子供は1本前後、日本の子供は3〜4本とはっきり差が見られます。この違いはいくつかの大きな要因が考えられます。まず『歯』に対するアプローチ。虫歯に強い歯にする為に、例えば給食後にキシリトールガムを子供にかませたり、歯磨き剤やうがい薬、飲み水にフッ素を加えている事も多いのです。次に『キレイな歯並び』。ガタガタの歯並びだと歯ブラシも届きづらくてむし歯になりやすそうですよね。北欧では人口のなんと3分の1の人が矯正の経験があるんだとか!!日本でも矯正している子供が随分増えてきていますが、クラスのお友達の3人に1人は矯正している国があると考えたら本当にすごいですよね。虫歯ゼロ社会を目指して矯正歯科が果たせる大きな役割があると考えています。

20150127154213