保険適用の矯正治療(外科矯正)

矯正治療はほとんどの場合自由診療ですが、保険が適用されるケースもあります。今日はその中の「外科矯正治療」についてご紹介します。
成長を終えた大人の矯正治療(本格矯正)が対象ですが、噛み合わせのズレの程度がかなり大きいケース、主に①上または下あごが大きく出ている②あごがずれて顏がゆがんでいる(顔面の非対称)③骨格性の開咬(奥歯が当たって前歯が全く噛まない)などの治療で「顎口腔機能診断施設」の指定機関において健康保険が適用されます。この治療では歯とあごへアプローチできるため、顔がぐ〜っとナチュラルに変化します。大事なのはこれは顔を変えるための治療では決してなく、スムーズに噛める正しい位置に歯や顎を動かしたら顔貌も変化した、という順番なのです。
外科矯正は名前の通り、歯列矯正と合わせて手術を伴う治療になります。まず術前矯正として矯正専門医院で歯並びを改善し、提携する医療機関(当院の場合は広島赤十字原爆病院)で顎切手術をします。10日前後の入院が必要になります。その後は良い噛み合わせを構築する仕上げとして術後矯正を数ヶ月行い終了です。
ご自身の矯正治療が保険適用か否かは、精密検査をふまえて診断します。

上:治療前 中:手術前 下:術後・矯正治療終了20140809111703

カラーゴムで矯正治療を楽しもう!

全部の歯が大人の歯になる中学生以降は主に『マルチブラケット』と呼ばれる装置で治していきます。これはまず“ブラケット”と呼ばれる約3ミリの四角い装置を歯につけた後、ブラケットに針金を数珠状に通して歯並びをキレイに整えていきます。一昔前は銀色のブラケットでしたが近年は目立たない透明なタイプが主流となっており、更にワイヤーを固定するためのキャップがブラケットへ付いたことにより、従来のキャップなしのブラケットに比べて摩擦が少なく歯の移動をスムーズにしてくれています。当院ではそんな機能性と審美的にも優れたブラケットを使用しています。
調整のためにブラケットに輪ゴムをひっかける場合がありますが、この輪ゴムには様々なカラーがあるのはご存知でしょうか。最低でも1年間はつけるマルチブラケット装置ですが、目立たせたくない時には透明色の輪ゴムを、せっかくの治療を楽しみたい時はカラーゴムでいつもと違う雰囲気にチェンジしてオシャレを楽しんでみてはいかがでしょうか?およそ月に1回の定期検診がありますので、調整の際にゴムの交換を行います。季節やファッションにあわせて色を変えてみるのも素敵ですよ☆

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子どもの矯正装置(固定式)

前回は、子供の取り外し式の矯正器具、床装置のお話でした。今回は固定式装置についてです。「矯正」と言えば歯の表に付ける“ブラケット”を思い浮かべると思いますが、子ども治療でメジャーな固定装置は他にもあります。その中の一つ、“リンガルアーチ”についてご紹介します。
リンガルアーチは歯の裏側につける装置です。主に6才臼歯と呼ばれる奥歯に“バンド”と呼ぶ薄い金属をかぶせて、これを固定源にします。このバンドに針金をつけて、お口の状態を改善していきます。前歯にガタガタがあったり、あごの幅が狭すぎる場合に用います。子供の成長の自然なメカニズムを利用して、あごのバランスを良くしていくわけです。成長を利用するので痛みも通常ほとんどありません。歯の変化はあせらずに数ヶ月単位の長い目でみていく必要があります。
固定式の装置なので、自分では取り外す事は出来ません。毎回の定期検診で針金を適宜調節します。歯ブラシももちろん出来ますが、磨き方の指導を受けて丁寧にブラッシングする事が大切ですね。

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子どもの矯正装置(床装置)

矯正装置は床(しょう)装置と呼ばれる取り外すタイプと固定するタイプがありますが、今回は床装置について少しご紹介します。
主に乳歯と永久歯が混ざっている時期に使います。この時期は体も大きくなる成長期ですから、成長を利用して口の周囲の骨格をより望ましい方向に導きます。中学生になると大人の骨格に近づきますから、床装置で改善できるのは主に小学生の治療といえますね。
下アゴの成長を促して出っ歯を改善する、逆に上アゴの成長を促して受け口を改善する、ガタガタな状態をよくするためにアゴを拡げて歯が並ぶスペースを確保する、形を整えるなど目的に応じて形も違ってきます。歯並びをキレイに並べ、良い噛み合わせにする為には、歯だけの問題ではなくバランスのとれた骨格が大切です。

歯の生えかわりの時期にガタガタが出るケースもあるので、子どもの治療は実年齢ではなく、永久歯がはえ揃う時期を当院では早期治療の区切りとしています。
矯正治療中の子供さんも多くなっていますから、治療中のお友達の話しを聞いて励みにしてもいいかもしれませんね。

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